vol.04
今も右肩上がりで成長し続けているコンサート業界。その現場に欠かせないアルバイトの経験がある音楽業界の方々に話を聞く当連載、今回はドームクラスのコンサートや国内アーティストの海外ツアーなども手掛けるZeppライブの久坂さんが登場!
第4回 ゲスト / 久坂一人さん
(株式会社Zeppライブ プロデューサー)
1972年、東京都生まれ。本田芸能にアルバイトで入り、その後、バックステージプロジェクトに入社。現在はZeppライブにて、LUNA SEA、the GazettE、LM.C、仮面女子などの国内外のコンサート制作にかかわっている。
text:吉田幸司
コンサート現場は絶対、毎日あるから。まずは一回やってみたらどう?と。
「あれ? 休みなしで働いたらこんなにもらえるんだ!?」って
久坂さんも学生時代にコンサートスタッフのアルバイトをされていたそうですね。
友達がやってたんですけど、「暇なんだったら来ない?」って言われて。お金をもらえてライブも観られるとか、すごい楽しい現場だなと思って始めたんですけどね(笑)。
好きな音楽に携われて、なおかつお金ももらえるんだったらと。そのアルバイト時代に楽しいと思ったこと、きついと思ったことをそれぞれ聞いていきたいんですけど、まずはきついと思ったことのほうからいきましょうか(笑)。
きついと思ったことはなかったですね。お金をもらえてライブを観られる…本当は観ちゃいけないんですけど観られる(笑)。だから全然きついと思わなかったですね。
きついはきついんでしょうけど、それより楽しさのほうが勝ってたんですね。
いや、そんなにきついと思ったことはなかったですけどね。
機材が重いとかは?
そういうのはうまいこと手を抜けばいいだけの話で(笑)。
あははは! 朝が早いとかは?
朝も、9時入りとかだからそんなに早くないイメージがありますけどね。
怒鳴られたりしたことも特になく?
最初はいろいろなところで怒られましたけど、怒られても別に「ああ、そうなんだ」みたいな感じだったんで。「歩いてんじゃねぇ! 走ってこい!」「ああ、そうなんだ、走るんだ」とか思ってましたから(笑)。
要するに、理不尽な怒られ方ではなかったという。
今思うと理不尽なときもあったんじゃないですか(笑)。でも、正直お金も結構もらってましたからね。あの当時、本当に1ヶ月毎日、ほぼいろんなところで現場があったので、気づいたら「あれ? 休みなしで働いたらこんなにもらえるんだ!?」って。
嫌な思いはまったくしなかったと。
アルバイトのときはなかったですね。
アルバイトのときは(笑)。逆に、その時代に楽しかったことは何でした?
友達もできたし、いろんな裏側を見られたことですかね。自分の手伝った現場が、たとえば雑誌にライブレポートとかで載ってるのを見るのも楽しかったし。あと、みなさんおっしゃってますけど、長いことやってたら、スタッフの人も「また来たの?」みたいな感じになるじゃないですか。そうすると、いろいろ教えてもらったりとか。
どんどん人脈が広がるという。
あと、当時はミュージシャンも結構アルバイトで来てたんですよね。あるとき、ある人と武道館で一緒に仕込みをやったんですけど、武道館ってヘルメットをかぶらなきゃいけないじゃないですか。で、「俺、いつか武道館でやるときはメット限定GIGやるからな」とか言ってて。俺、いつかそれやってみたいなって思ってますけどね(笑)。
夢を語り合ったと。いい話です。
そういう意味では、いろんなミュージシャンの人たちとも一緒に仕事をできたのも楽しかったですね。とにかくアルバイトのときは本当に楽しい思い出しかないですよ。毎日楽しかったんで。
今は人が少なくてもできるやり方を考えるべき
で、現場でバックステージプロジェクトの方たちと仲良くなって入社するという。
そうです。車の免許持ってるんだったら明日から来れば?って言われて。ああ、試験とかないんだと思って(笑)。
あははは!
ただ、最初の2年、3年はバイトの時代の延長みたいな感じで楽しかったんですけど、ある程度のところから、売り上げ、経費、利益…みたいな話が出てきて。これは面倒くさいなぁと(笑)。それまでは上の人がいて2番目だったんで、お金勘定はしなかったんで。現場だけやってたんで、すごく楽しかったんですけどね(笑)。
それが今、アルバイトの人材がなかなか集まらないと言われていますけど。
アルバイトが集まらないというか、単純に昔と違って今、集める数が多いんじゃないかと思うんですよね。僕らがアルバイトのときって、渋谷公会堂でも5人くらいだったんですよ。仕込み、バラシで。それが現在、2,000人クラスのホールだと、舞台スタッフから20人集めてほしいとか言われるんですよね。武道館だったら100人とか。それはやっぱり集まらないよなと思って。単純に、アルバイトの数の発注が多すぎるんじゃないかなと思いますけどね。警備などは消防法等の問題で人数が必要なのは理解できますが、仕込み、バラシはもう少し削って考えていかないと、時代に合わないのではないかなって気がします。やはり今の時代に合った数でやっていくしかないのではないかと。
集まらないから集めようじゃなく、集まらないなかでどうするか考えていこうと。
この業界に夢がないのかどうなのかはわかりませんが、アルバイトが来ないのは現実じゃないですか。マクドナルドの時給を見たときに、「ああ、こんな時給でも人が来ないんだ」って。っていうことは、もう時代的に難しいのかなと思うんですよ。だからそれに合った形でスライドしていくしかないですよね。人が集まらないんだったら、人が少なくてもできるやり方を考えるべきなんです。
アルバイトのときは本当に楽しい思い出しかないですよ。毎日楽しかったんで。
魅力は、好きなことをやってお金をもらえるっていうこと
では、そんなコンサート業界の魅力というと、どこにあるんでしょうか?
魅力はやっぱり、好きなことをやってお金をもらえるっていう、もうそこですね。この業界でアルバイトをしたいんだったら、少なくともある程度の収入はあるし、コンサート現場は絶対どこかに、毎日あるから。
確かに。しかも、コンサートビジネスは今も右肩上がりが続いてますからね。
だから、まずは一回やってみて、合わないなと思えばやめたらいいし。何回かやってみたらどう?とは思いますけどね。
しかも、自分の経験からいくと、アルバイトの現場は「楽しい」しかないし(笑)。
「楽しい」しかないです。嫌なことはいっさいなかった。ただ、そう思ったのは、カッコ個人の感想によりますってやつで(笑)。
あははは!
ただ、どんなところでもそうだと思うんですけど、3年後には全部だいたい笑い話になってるんですよ。どんなに嫌なことがあっても、それが1個のネタになって、3年後には、「いや〜あのときさ〜」みたいな笑い話になるっていう。
そういうことのほうが思い出として残りますからね。ちなみに、最近は現場に女性も増えたし、女性もウエルカムですよね。
関係ないですね。僕らのところも今、女性スタッフは多いですよ。音楽業界に入りたいなら一番の近道でもあるし、やる気のある子はどんどん来るべきだと思いますけどね。
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