ワールドワイドに成功する方法

ワールドワイドに成功する方法

vol.47 “自分でできる”から“助けを求める”へ

手助けを受け入れる

 過去10年を振り返ってみて言えること。それは、この歳になってようやく、これまでになく他人から学ぶという“助け”を探し求め、受け入れられるようになったということです。特に仕事、音楽、エクササイズ、そして日本語の勉強において、特定の、かつプロによる手助けを得るようになりました。
 仕事においていえば、自分を助けてくれる人々を頼ってクライアントのプロジェクトを遂行しているし、具体的には、自分が彼らの業務を代行できるようになるため、彼らの役割を学ぶべく、助けを求めるようになったのです。エクササイズに関しては、ジムで専属トレーナーとトレーニングすることでエクササイズの時間を最大限に有効活用できるよう努めています。日本語の勉強では、自分に足りない様々な言語スキルを強化するためにチューターを雇いました。そして音楽においては、ギターの講師によるレッスンを開始し、アレンジ、ギターパートの作曲、そして自分の楽曲のリハーモナイズ(メロディを合わせるためにより良いコードを選び出す工程)を手伝ってもらっています。
 自分は何年もの間、外部からそのような手助けを得ることに対し抵抗をし続けてきました。まずは費用がかさむということ、そして第2にあげられるのは“自分で自身のモチベーションをうながし、独学で自分に教えることができる”という自分のプライドがあったからでしょう。それはいろいろな意味において今も変わっていません。今でも自分で自身のモチベーションを飛躍させ、学びたいことは自分で学べるという気もするのです。

なりゆきで答えを見つけていないか

 実は、かつてはそのような“森のなかで迷ったような感覚”を楽しんでいる自分がいました。“いったい自分が何をしているのか、実は全然わかっていないなかで、とにかくやり続けるうちになりゆきで答えを見つける”―そんな感覚です。
 たとえば、もっと若かった頃、日本について学ぶことにとにかく興奮していた時期の自分は、とりあえず図書館へと向かい、人類学の記事からニュース記事、様々な教科書と、ランダムな方法で“日本について読み始める”ことから始めたものでした。ほかに、より明確で、より効率の良い学びの道があるだろうなどとは、考えもしなかったのです。
 でも、それが悪いとも言い切れないでしょう。なぜなら、当時の自分には、無駄にするだけの十分な時間があふれているように感じていたからです。おそらく、今この記事を読んでいる音楽活動をしている読者のほとんどが、音楽の道において似たような経験をしているのではないかと思います。もしかしたら、ブルースギターを習得するのに必死なあまり、一番効率の良い方法などお構いなしに、とにかくギターに何時間もしがみついて、なりゆきでやり方を見つけようとしていたのではないでしょうか。

自分が得意でないことを見極める

 歳を重ねるにつれて、自分のなかで感じ方に変化が生じました。“なりゆきでやり方を見つける”ことにあまり魅力を感じなくなり、より明確な標に興味を示すようになったのです。
 そうした感情になった背景には、多くの理由が存在していることでしょう。最近では、“自由時間”がより減っているように感じていること、興味の振り幅がより拡大し続けていること、そして以前とくらべて明確な目標があることも起因しています。
 そのほかの理由をさらに2つあげます。まずは、自分が得意でない物事をすぐに見極められるようになったため、特定の助けを得るのがより簡単になったということ。そして次に、これまでにものすごい数の物事にトライしては習得に失敗してきたため、結果自分が失敗しそうな、あるいはやめてしまいそうな種類の物事をわかりきっていることです(たとえば過去に、かなり頻繁かつ強力にエクササイズを続けた時期があったが、深刻な筋違いを起こしてやめるに至ったことがある)。
 自分が得意でないことを見極め、それに対応した特定の助けを得る。さらには、何が失敗につながるかを理解し、外部にあるモチベーションとともにそれを緩和する。これによって、過去と比較してよりすぐれた結果を得られるようになってきたのです。
 今では、“もっと人生の早い段階でこれに気づいていれば”と願ってやみません。もし助けを求めていたら、よりたくさんの物事を、より集中して、もっと早く習得できたのではないでしょうか。もし誰かの助けを得るような金銭的余裕がなかったとしても、その投資によって“時間”と“教え”を交換できたはずなのです。逆に、“自分でできる”というある種の愚かなプライドを抱えていたのです。

 これからの10年間は、この教訓を胸に刻み、ほかの誰かによる助けを探し求め続けていきたいと思っています。

PROFILE

Benny Rubin

Benny Rubinベニー・ルービン

マーケティングおよびセールスの専門家。日本に断続的に10年近く住み仕事をしている。日本の主要なレーベル、映画会社、ブランド、広告代理店と豊富なマーケティングの仕事経験がある。連絡先は、b@bennyrubin.com

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