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2018.10.19

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徹底追及第13弾!!

「チケット高額転売問題」について考える

音楽関連4団体の高額転売対策について

これまで本誌でも何度も取り上げてきたチケット高額転売問題。 今回は、音制連を含む4団体のこれまでの取り組みについてご報告します。

text:東條 岳弁護士(Field-R法律事務所)

 一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)、一般社団法人日本音楽事業者協会(JAME)、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体は、ライブ・エンタテインメントにおけるチケットの適正な流通を目指して、悪質な高額転売についての協議、対策を継続して行っております。
 当4団体としては、2016 年頃から高額転売対策に本格的に取り組み始め、同年 8 月には新聞全面広告により「私たちは、音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」というメッセージを強く社会に訴えました。これは大きな社会的反響を呼び、SNSなどでは様々な議論が巻き起こりました。
 そんななか、2017年6月には、サカナクションや back numberのチケットを詐欺行為にて入手したとして、高額転売の常習者が兵庫県警によって摘発され、その後も同種の容疑による摘発が相次いで行われました。
 また、ミクシィ社の子会社で、大手チケット転売サイトである「チケットキャンプ」を運営していたフンザ社に対して商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで強制捜査が行われ、最終的にはミクシィ社はチケットキャンプの閉鎖を決断することとなりました。
 高額転売チケットの流通の大部分を占めていたチケットキャンプが閉鎖されることにより、高額転売の流通は一定程度下火になったかのようには思われますが、今なお高騰が確実視される人気アーティストのチケットは、「チケット流通センター」や「チケットストリート」などのチケット転売サービスにおいて高額で転売されているという実態がまだまだ存在しています。
 いっぽう、転売規制法案についても協議が重ねられました。自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会などの国会議員が参加する超党派のチケット高額転売問題対策議連が開催され、議論が交わされました。審議日程が確保できないとの理由から、本年の通常国会での成立は見送られましたが、秋に招集予定の臨時国会において成立となる見込みです。
 この法案は、一定の要件を満たした「特定興行入場券」について、「業として」販売価格を超える価格で譲渡することそのものを禁止することを内容としており、この法案が成立することにより、「特定興行入場券」については高額での転売が直接禁止されることになります。主催者、プレイガイドとしても、人気アーティストのチケットは「特定興行入場券」に該当するような販売方法を取るべく準備を進めており、法案成立後は悪質な高額転売をより効果的に抑制することができるものと期待されます。
 当4団体としては、これらの対策をとるにとどまらず、音楽ファンにより負担をかけない方法でこれらを実現するべく、日々検討を重ねています。

チケット高額転売問題の状況改善に 大きく貢献した兵庫県警に対し 音楽関連4団体が感謝状を贈呈

チケット高額転売問題の状況改善に大きく貢献した兵庫県警に対し音楽関連4団体が感謝状を贈呈

左より(敬称略)
中西健夫(コンサートプロモーターズ協会)、 中井秀範(日本音楽事業者協会)、 高橋浩樹(兵庫県警察本部)、 野村達矢(日本音楽制作者連盟)、 土岐雄二(コンピュータ・チケッティング協議会)

 8月2日、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体より、兵庫県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課、兵庫県葺合警察署、兵庫県尼崎東警察署、兵庫県神戸水上警察署に対し、感謝状が贈呈された。
 兵庫県警によるチケット高額転売問題への貢献は、2017年にサカナクションやback numberのチケットを転売目的で購入した男を詐欺容疑で逮捕したことや、2018年にも東方神起のチケットを転売目的で購入した男らを逮捕したことなどがあげられる。この一連の摘発は、迷惑行為防止条例違反で従来摘発ができなかったインターネット上での高額転売について、その入手行為を詐欺ととらえることにより摘発するという画期的なものだった。また、商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで株式会社フンザに強制捜査に入り、チケット転売サービスにおいて行われていたアーティストの肖像や商標の無断使用について、捜査のメスを入れたことも記憶に新しい。
 以上は一例に過ぎないが、兵庫県警は、音楽関連4団体が取り組む「チケット高額転売問題」に対して、チケット販売者に対する新たな枠組みでの摘発に成功するとともに、チケットキャンプに対する捜査などにより、この問題の状況改善に大きく貢献したことが評価された。
 贈呈式には、兵庫県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課課長の高橋浩樹氏が代表として出席。音楽関連4団体の代表者よりスピーチが行われたのち、日本音楽事業者協会の中井秀範専務理事より、高橋氏に感謝状が贈呈された。

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