vol.06
コンサートスタッフのバイトには機材の搬入出、物販や案内などのほかに、 「ケータリング」というセクションがある。アーティストの近くで働けてやりがいもある、 そんなケータリングのバイトをきっかけにコンサート現場で働くことの楽しさを知り、 来春からはイベント制作会社に就職が決まっている筒井さんに話をうかがった。
第6回 ゲスト / 筒井瑞紀さん
(青山学院大学 社会情報学部)
1995年生まれ、香川県出身。進学のため上京後、コンサートスタッフのアルバイトを開始。物販、案内、クロークなどを経験後、2016年にケータリングスタッフに。現場での仕事ぶりからマネージメントなどからも声をかけられたそうだが、カッコいい制作さんに憧れ、来春イベント制作会社に就職予定。
text:鈴木倫子
コンサートを作るってすごい仕事だなって。ケータリングでその自覚はより生まれたかも。
ケータリングは個々が試されるのでやりがいがあった
ケータリングのバイトはどれくらい続けたんですか?
最初はお客さん案内とかチケットのもぎりとか物販を2年やって、そこから2年はケータリングとして働きました。
そもそもコンサートスタッフをやろうと思ったきっかけは?
野球が好きだったので東京ドームの近くの居酒屋がいいなと思って(笑)。いろいろ探していたらイベントスタッフのバイトを見つけて。面白そう!って軽い気持ちで始めました。
現場で働いてみてどうでしたか?
初日は物販だったんですけど、私、ライブやコンサートには一度も行ったことがなかったんですよ。物販=グッズ販売だということも知らないレベルだったから、とりあえず声を出してがんばって。その日の休憩中に社員さんが声をかけてくれて、ガッツリ現場に入るようになったんです。
その2年後にケータリングに移ると。ケータリングの仕事内容というと?
主に楽屋作りですね。スタッフやアーティストのドリンクやお弁当を用意したり、ゴミ袋を設置したり、タイムテーブルを貼ったり。それを開演中にちょっとずつバラして、終演後は全部片づけて。影アナもケータリングの仕事なんですよ。あとはアーティストの要望に応えたり。
コンサート現場におけるマネージャー補佐みたいな感じなんですね。
そうです。週3大学、週4バイトで全然休みはなかったですね。最初はわからないことだらけで何回も怒られて泣きそうになってつらかったんですけど、慣れてくると楽しくてなってきちゃって、バイトメインの生活になって。結果、大学にはもう1年行くことになっちゃったんですけど(笑)。案内とかだとバイトは上の指示を聞くことが多いんですけど、ケータリングは1人か2人しかいないので全部自分がやるんですよ。個々の力が試されるっていうか、それがすごいやりがいがあって。全部自分で考えて仕事して、ほめられたりするのがすごいうれしくて。あとは、同じアーティストの現場に何回か行くとおぼえてもらえるんで、名前で呼んでもらったりするのもうれしかったです。
ほかに、このバイトをして良かったなと感じたのはどんなことですか?
いろんなアーティストに出会えたことですね。まわりに言うと「すごい!」ってなるような方とあいさつができて、お仕事させてもらえて。すごいんだ、私!って(笑)。
この業界で働きたいなって思って現場で制作さんに声をかけたんです
3月末でケータリングのバイトは卒業したそうですが、今後の進路は?
ケータリングの現場で、どんなスタッフにもちゃんと発言して仕切っている女性の制作さんを見て、カッコいいなー、私もそういう強い人になりたいなって思って。バイトに専念しすぎてインターンとかも行ってなかったから、この業界でこのまま働きたいなって思っていたし、カッコいいって思った制作さんに思いきって声をかけたんです。そしたら「社長に会ってみる?」って話になって、社長と話して「卒業したらおいで」って言ってもらったんですけど、大学にもう1年行くことになってしまったので(笑)。普通なら内定取り消しのところを、「1年は研修として働いて卒業すればいい」って言っていただいて。
制作ってケータリングとは全然仕事内容が違うと思うんですが、どうですか?
めっちゃ大変です。知らないことのほうが多いので観察しまくっていろんなことをおぼえています。やっぱりライブやイベントに行ったことがなかったので、舞台まわりのことが何にもわからなくて。
なのに、制作会社に直談判で就職するってすごい決断ですよね。
それだけカッコ良かったんですよ、私にとっては。
この業界で働くことについて、今、どう思っていますか?
ぶっちゃけ、ただ音楽を好きなだけの人はやめたほうがいいかもしれないと思います。現場には厳しい人も多いので。私のモットーは“楽しくやろう”なので、そんな言い方しなくても…って思うこともありました。やさしい人ももちろんたくさんいますけど。でもやっぱりほかの業界よりやりがいはあるんじゃないかなと思います。ひとつのコンサートを作るってすごい仕事だなって思いますよ。いろんな人ががんばってがんばってがんばって、始まって、オープニング映像を観ると、「はーすごい! がんばったー!」って思います。
それはケータリングで裏側の仕事を経験したからこそわかったことですよね。
そうですね。ケータリングになって、スタッフの一員になった自覚はより生まれたかもしれないです。でも、物販も案内もクロークも、表まわりの仕事をほぼ経験してからケータリングをやれて良かったです。表のことがわかっていないと、たぶんうまくできなかったと思うので。
この仕事はがんばったぶんだけ返ってくる。達成感のためだけにがんばってます。
早くアーティストを持てるようにとりあえず2年間がんばります
そして、そこからコンサート現場を仕切る制作マンになろうとしている。
不安も大きいですけど。この仕事を始めてからいろんなアーティストの音楽を聴くようになって、将来海外のアーティストもできるようになりたいなと思い、今は韓国語も勉強しています(笑)。
制作の勉強の真っ最中なのに…。
わざわざ手出して(笑)。正直、音楽好きじゃなかったのになんでこんながんばってるんだろうってめっちゃ思いますよ。
それだけ魅力があるんでしょうね。
確かに。魅力はすごいあります。めちゃくちゃ大きな魅力があると同時に、めちゃくちゃしんどいです。そのしんどいのが嫌だっていう人は無理ですけど、がんばったらがんばったぶんだけ返ってくると思う。私はやりがいというか達成感のためだけにがんばってますね。
4年間、コンサート現場で楽しくやってこられた秘訣は何だと思います?
ドMだからですかね(笑)。あと、うまくやるのが得意だったんです。あせった様子を相手に見せたり、とりあえず謝るというのはしないようにしてました。本当に自分が悪いときはもちろん謝りますけど。
今後の目標は?
今はアシスタントで先輩の後ろについている状態なので、早く自分でアーティストを持ってまわれるようになりたい。そのためにまずは卒業して、機材名をおぼえて、制作現場の1日の流れを把握する。とりあえず2年間めっちゃがんばって、私がカッコいいと思っている先輩と同じだけできるようになります!
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