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2018.01.18

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株式会社WACK代表取締役 渡辺淳之介さん

攻めた施策で世間を騒がす!

渡辺淳之介さん 株式会社WACK代表取締役

きわどい歌詞を書いたり、正規盤発売前に 激安盤のアルバムを無告知で出したり、攻めた施策で おなじみの渡辺さんは、BiSの「nerve」、BiSHの 「オーケストラ」など界隈のライブでカバーされまくっている 定番曲を多数送り出している、稀代のトリックスターだ。

text:吉田幸司 photo:外林健太(Rim)

お金かけてるね、みたいな(笑)。
そういう“わかりやすいすごさ”っていうのはすごく意識してますね。

遊び的な部分は入れていかないと面白くないし

渡辺さんはJxSxKとして作詞も手掛けてますが、作詞で意識していることは?

やっぱり売れているものに学ぶことって多いとは思っていて。BiSHで一番景色が変わったと言われるのが「オーケストラ」っていう曲なんですけど、あれは作詞するときにBUMP OF CHICKENの楽曲をひたすら聴き続けて、どういう方程式があるのかっていうのを分析したんですね。そしたら“僕とあなた”とか1人を指す言葉がすごく多くて。あとは情景だったり場所の名前を結構言ってたり。“午前2時”とか。思い浮かべられるのがいいんだろうなって。自分に置き換えるようなっていうか。そういうので書いたのが「オーケストラ」です。

BiSHは12月には『ミュージックステーション』にも出て、一生懸命のダンスと歌でインパクトを残しました。

『ミュージックステーション』はみんなが「すごいね」って言うものじゃないですか。だから、わかりやすく「すごい」って思われるものっていうのは一番意識してるかもしれないですね。新曲の「My landscape」も、曲は尖った感じで意味わかんないんですけど、MVは海外ロケ、みたいな。あと、道頓堀でゲリラライブみたいなことをやったりとか。お金かけてるね、みたいな(笑)。そういう“わかりやすいすごさ”っていうのはすごく意識してますね。

ライブで同じ曲を繰り返すっていうこともよくやるじゃないですか。2017年の“TOKYO IDOL FESTIVAL”ではメインステージで代表曲の「BiSH-星が瞬く夜に-」のみをひたすら繰り返しましたよね。

はい。メインステージのすごくいい時間帯に「BiSH-星が瞬く夜に-」を6回延々とやって、お客さんがどんどん帰っていくっていうのを見るのがすごく面白かったです(笑)。でも何回も何回もやったおかげで、その「BiSH-星が瞬く夜に-」っていうのは手をあげてドンドンパ!ってする振りがすごくわかりやすいんで、いつの間にかどんどんみんなの手があがっていくっていう。そういう繰り返しというか刷り込みがすごくいいっていうか、やっぱり耳に残るっていう。だから紙一重だと思うんですよ。難しいんですけど、遊び的な部分は入れていかないとみんなも面白くないし、やっぱり攻めの姿勢がないといけないのかなって。

好きになる前段階ではやっぱり安くないと

今までで一番バズらせられたなって思う戦略って何ですか?

最近でいうとタワーレコード限定の299円CD(アルバム『THE GUERRiLLA BiSH』の先行発売盤)は、バズったっていう意味も含めて、お店にみんなが行ったっていう意味で、すごく成功した例だなと思っていて。どこに売ってるぞとか、まだここに残ってるらしいとか、そういうのを含めて、みんなの実際の行動に移せたのはすごく良かったなと思ってますね。普段だったらネットでCDを買う人たちが、タワレコに行かないと買えないわけだから。動画とかもエイベックスの方が撮ってくれて観たんですけど、BiSHのコーナーの前に人が集まってしゃべってたりとかして。ああ、こうやっていろんなものが生まれていくんだなみたいなのはすごい感じましたね。

も怖くはなかったんですか? 定価の本ちゃんCDがそのあと出るんですよ!?

音楽って、もともとは伝承だったわけじゃないですか。モーツァルトの時代も楽譜があってそれを弾くとかだったんで。民謡もそうじゃないですか。タダでみんなに教えて、つないでいくっていう。そういう意味でいうと、音楽ってもともとタダのはずなんですよ。損して得取るじゃないですけど、たぶん好きになったら欲しくなって買うんで、好きになる前段階では、やっぱり安くないと、っていう気がするんですよね。

2018年以降は、ヒット曲を生み出すのに何が必要になってくると思います?

今すごく思ってるのは、ピコ太郎の「PPAP」の“I have a pen”みたいな、みんなにわかりやすく、小学生とかも口ずさめるみたいなものはアリなんじゃないかなって。BiSHも今やっとマスに向かえるようになったので、変な攻め方をしつつ、小学生が歌えるようなものとかやりたいなって思うんですけどね。『みんなのうた』とか。

渡辺さんが(笑)!?

はい。『みんなのうた』書きたい。

『うんこ漢字ドリル』の例もあるし、小学生って下ネタとか好きですからね(笑)。

はい。「うんこの歌」とか書きたい(笑)。

profile

つばさレコーズ在籍時にBiSを売り出し、2014年の解散を機に独立(BiSはその後新編成で再始動)。現在はBiSH、GANG PARADE、BiS、BILLIE IDLE(R)らをプロデュース。

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