ワールドワイドに成功する方法

ワールドワイドに成功する方法

vol.34 ファンを失うことを恐れず、常に変化と進化を

「明日に目覚めることを望むんだ、みんなに拍手されていた“あの男”にはなるな。前に進めるかもしれないというまぎれもない可能性に対してオープンであれ。オーディエンスと君自身を進んで手放せ。積極的に進化しようとするな、ただそう望むんだ。君が過去にやっていたようなことを好きになるやつはいるだろうが、彼らはいつだって君の昔の曲を聴けばそのマジックを再体験できるんだ。そういう曲を作ったとき、君はおそらくその過程で何かを発見したんだろう。それをまたやるのは無駄な発見の意味のない繰り返しだ。発見の要素があるからといって新しい領域に進むのを計画するのは、多くの場合“昔の君”みたいに見える。スタイルはまるで違うかもしれないが。」(ベン・フォールズ)
“アーティスト”でいるのは難しい。どのレベルにおいてもファンを獲得するのは難しいし、ずっとファンでいてもらうことはさらに難しい。では、どうしたらアーティストはクリエイティブなままでい続けられ、ファンを失うことを恐れることなく自由に変化や進化ができるのでしょうか?
この引用文はアメリカ人アーティストのベン・フォールズのもので、そこには興味深い答えが含まれています。とにかく変化、進化するんだ、ファンを失うことを恐れるな、自分と自分自身の声に忠実であれ、と。
私が初期のアルバムが好きな、そしてほかの誰もが好きなアーティストのほとんどは、結局は同じものか、それか非常によく似たアルバムを繰り返し作ります。時にはそのアルバムは良いのですが、時には“いつもと同じもの”にすぎなかったりします。彼らがそうだと感じていようとなかろうと、彼らをしばしば成長や実験から遠ざけてしまう理由は、“これではファンが混乱しないか? ファンは気に入らないんじゃないのか?”という恐怖です。
ファンの期待に応えようとすることは、アーティストを縛り付け、彼らが本当に作りたい音楽を作ろうとするのを難しくしてしまいます。ファンは気まぐれで、そしてアーティストが変化すると、多くのファンは動揺します。変わりたいからといって、あなたが今まで築いてきたポジションを本当にリスクにさらすことができるでしょうか?
ベン・フォールズが言っていることは、「Yes You Can」です。彼は「リスクをとれ」と言っています。明日目覚めることを恐れるな、そして現在まで生きてきた自分のままでいるな、勇敢に前を向け、と。
よく考えてみれば、影響力の非常に強い往年のアーティストのほとんどは、少なくとも一度は大きく変化しています。その時期、楽曲、もしくはアルバムが、大多数のファンを尻込みさせるいっぽうで、新しいファンをごっそりと、その新しいスタイルの虜にしています。
そうした例はいくらでもあります。
もしレディオヘッドが、ヘヴィサウンドなエレクトロニカの『Kid A』を、過去にロックで成功しているために恐れて作らなかったとしたら、彼らは今頃どんなサウンドになっていたでしょうか?
ビートルズがティーンエイジャー向けの音楽を作り続けて、60年代のサイケデリックムーブメントを無視するのを想像できるでしょうか?
もしくは、ボブ・ディランが「エレクトリックに転換」しなかったら?
あるいは、ザ・ビーチ・ボーイズが「コンセプチュアルすぎる」と判断して『ペット・サウンド』を作らなかったとしたら?
実のところ、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、プリンスのような全世界的に愛されているアーティストの一部は、絶え間なく変化、進化、そして再発明を続けている点でも有名です。ファンは彼らの次の変化を楽しみにしています。次は何をやるんだろう? どんな音楽をやるんだろう? どんなビジュアルになるんだろう?と。
リスクをとれ―。音楽的に、精神的に、感情的に素晴らしい見返りがあります。そしてもし現在のバンドで、そうするのがあまりに怖いのであれば、いつだってあなたは新しいバンドを始められるし、新しい名前を持つことだってできます。それが何であれ、あなたを再びクリエイティブにしてくれます。そして過去の自分から脱却し、「新しいあなた」を生み出してくれるはずです。

※ベン・フォールズの引用の全文はここで読むことができます (英語のみ)。

PROFILE

Benny Rubin

Benny Rubinベニー・ルービン

マーケティングおよびセールスの専門家。日本に断続的に10年近く住み仕事をしている。日本の主要なレーベル、映画会社、ブランド、広告代理店と豊富なマーケティングの仕事経験がある。連絡先は、b@bennyrubin.com

タグ: