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2016.05.13

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special interview 岡 政人さん 「ぴあ映画生活」「ぴあMovieSpecial」チーフプロデューサー

special interview 岡 政人さん「ぴあ映画生活」「ぴあMovieSpecial」チーフプロデューサー

映画といえば、やっぱりぴあ。ということで、ぴあの映画部門のチーフプロデューサーにご登場いただいた。常に最新映画をチェックしているだけあって、新しめの作品が中心なのも特徴的だ。

text:吉田幸司

いい曲といい映像がバシッとはまると、
総合芸術的な魅力がいっそう強調されますよね。

岩井俊二監督以降、映画と音楽がボーダーレスに融合してきた

映画業界の現況を教えてください。

映画は2,000億円市場と言われてるんですが、日本映画製作者連盟の発表で、2015年度は前年度より興行収入が伸びたんです。

その背景には何があるんでしょう?

ライブビューイングとか3Dとか4DXで椅子が動いたりとか、映画館がアトラクション化して単価も上がってるんですね。IMAX対応の劇場も増えてきたり。フォーマットが増えたことで、映画館の楽しみ方が広がったというのは大きいと思います。

なるほど。音楽好きにおすすめしたい、音楽をテーマにした映画を教えてください。

日本映画でさかのぼると、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)はひとつのターニングポイントだったと思います。当時まだ日本映画はちょっと地味とか暗いとか言われてるときに、センスのある岩井俊二監督や小林武史さんがおしゃれな音楽映画を作った。その流れってやっぱり脈々とあるような気がしていて。最近だと『ソラニン』(2010年)とか、あと音楽への愛でいうと『アイデン&ティティ』(2003年)とか。

言うならば『リリイ・シュシュのすべて』が日本の音楽映画の流れを変えた。

そんな気がしますけどね。その前でいうと『スワロウテイル』(1996年)もそうですけど、90年代後半から2000年代初頭の、そうした岩井監督からの流れというのは確実にあると思います。映画と音楽がボーダーレスに融合してきた感じはそのへんからだと思うので。山下敦弘監督の『味園ユニバース』(2015年)なんかも、映画と音楽それぞれの魅力が融合している。とにかく歌の力強さみたいなのがあって。渋谷すばるくんの役者として、歌い手としての評価が高まったのもこの映画だったり。そういう感じは、宮?あおいさんの歌った『ソラニ ン』もそうだと思うんですけど。歌の魅力と演技的な魅力と、あと作品のテーマみたいなのもひっくるめて、映画好き、音楽好きの人がやっぱりはまりやすかったり、映画っていいよね、音楽っていいよねってなると思うんです。『味園ユニバース』『ソラニン』『アイデン&ティティ』あたりは音楽好きの方におすすめと言える気がします。

『アイデン&ティティ』は銀杏BOYZの峯田和伸主演というのもインパクトがありましたよね。

そうですね。荒削りなというか、そうした勢いが切り取られていて。あのときじゃないとっていう演技だったり音楽だったりがスクリーンに刻まれていると思います。

音楽映画ベストはマイケルの『THIS IS IT』だと思ってます

洋画ではどうです?

洋画だと、個人的には『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009年)が大好きなんですけど。あれは衝撃でしたね。マイケルの才能とステージングのすごさと、その裏側みたいなのをドキュメンタリーチックに追いながら、音楽ライブ映画としても成り立ってる。まさに映画ならではの表現が満載で、音楽映画ベストは『THIS IS IT』だと僕は思ってるんですけど。あと、『あの頃ペニー・レインと』(2000年)も音楽業界を描いてたりする映画なので好きですね。キャメロン・クロウ監督って、ちょっと岩井俊二監督っぽいんですよ。映画のセンスと音楽のセンスが両方あって、サントラの選び方とか絶妙ですよね。

音楽のキュレーターみたいな。

そうなんです。サントラといえば『ハイ・フィデリティ』(2000年)も。音楽オタク的なダメ中年男の話ですけど、これもサントラがよくできていて。たまたまですけど今あげてみると、90年代終わりから2000年ぐらいって、そういういい音楽が絶妙にちりばめられた映画が多かったんだなって思いますね。

最近ではどうです?

最近では、アカデミー賞を賑わせた『セッション』(2014年)。ドラマーの話なんですけど。劇中の音楽のセンスもそうなんですけど、鬼教官と若者の濃すぎる師弟関係みたいなところで、とにかく熱いっていう。

“音楽映画”というところでの魅力というと、どんなところでしょう?

音楽好きで映像も好きだったりすると、そのはまり具合がピッタリくると気持ちいいじゃないですか。音楽を聴いても楽しいし、映像を観てもいいし、その役者がミュージシャンだったりするとなおさらお得感がありますし(笑)。映画は総合芸術、なんてよく言われますけど、いい曲といい映像がバシッとはまると、まさにその魅力がいっそう強調されますよね。

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