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音楽利用トラブル回避ガイド

2016年03月09日 (水) 音楽利用トラブル回避ガイド

ダンススクールでの楽曲利用について

学校の授業でも取り入れられるようになり、日本でも数多くのスターが生まれている「ダンス」。 スクールもたくさん生まれていますが、宣伝やレッスンに音楽を利用する際には 許諾が必要ということをおぼえておきましょう!

解説

楽曲の作詞者や作曲者が持つ著作権のひとつに、演奏権があります。この演奏権は、著作権法第22条で次のように規定されています。
「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利を専有する。」
著作権者は、著作物を無断で演奏されない権利を占有していて、ここでいう演奏には、楽器を使用する演奏のほか、CD等の各種メディアや携帯端末に録音された音源を再生して聴かせることも含まれていますので、公衆(不特定の人または特定多数の人)に直接聴かせる目的でCDの音源を再生する場合には、事前に著作権者の許諾を得ることが必要になります。
ただし、すでに公表されている楽曲については、営利を目的とせず(非営利)、かつ聴衆または観衆から料金を受け取らない場合(無料)で、出演者等に報酬が支払われないとき(無報酬)には、著作権者の許諾を得ずに演奏の方法で利用することができます。
たとえば、ホームパーティでBGMとしてCDを再生する場合や、学校行事で生徒が歌ったりする場合がこれに該当します。
Aくんのダンススクールでは、生徒が選んだ楽曲のCDを流しながら、楽曲に合わせた振り付けレッスンを行います。
このCDを再生して楽曲を「演奏」する行為について、著作権者の演奏権が働きますので、事前に著作権者の許諾が必要となります。
ダンススクールでの楽曲利用に関しては、まずは、著作権管理事業者(JASRAC「ダンス教室」www.jasrac.or.jp/info/play/school.html)などへ問い合わせをしてみましょう。

※上記は社交ダンス以外のダンス教室に適用される包括使用料です。
※ダンス教室での楽曲利用受付窓口はこちら(http://www.jasrac.or.jp/info/local_b.html)。

また、スクールの宣伝・PRのために、音楽に合わせてレッスンを行う様子を撮影したDVDを制作する場合には、楽曲をDVDに複製する行為に対して著作権者が持つ複製権(著作権法第21条)が働きますので、事前に著作権者の許諾を得ましょう。
なお、このケースのように、CD音源を映像と合わせて収録したDVDを制作する場合には、作詞者や作曲者等の著作権者だけでなく、音源を制作した原盤権者(レコードメーカー)や、実演家(アーティスト)等の著作隣接権者の許諾も必要となりますので、著作隣接権者に対する手続に関しては、レコードメーカーに問い合わせを行いましょう。

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