現場マネージャー物語

2018.07.19

INTERVIEW

現場マネージャー物語

山崎まさよし担当 向井康太郎さん

#127 山崎まさよし担当 向井康太郎さん株式会社オフィス オーガスタ

超実力派アーティストに20代でいきなりつき、マネージャー歴8年目に突入した今は山崎まさよしのほか、COIL、さかいゆうを担当しつつ、福耳、“オーガスタキャンプ”を仕切り、さらに新人育成も開始。必要なのは「キャラとノリ」という一風変わったマネージャー論を展開してくれた。

text:吉田幸司 photo:山下深礼(PROGRESS-M)

「プロダクションの人間がしっかりしてないとアーティストも育たない、一生懸命やれ」って。

意外だねっていうのはずっと言われ続けてます

失礼ながら、山崎さんのマネージャーのイメージとはちょっと違いました(笑)。

ははは! 結構言われるんですよ、いろんなところで。山崎まさよしのマネージャーって、なんとなくシャツ羽織ってて、ちゃんとしてるイメージがあるんだけど…っていうのはだいたい言われます(笑)。

スーツをビシッと着てみたいな(笑)。

実はこれにはちゃんとストーリーがあって。あとでお話ししますけど、意外だねっていうのはずっと言われ続けてます。

向井さんは今に至るまでにどんなキャリアを積んでこられたんでしょうか?

それまではレコード会社にいたんですよ。エイベックスに6年近くいて、なんとなくこういうキャラクターが培われていったんですけど(笑)。で、オーガスタに入社したのが2011年なので、今8年目ですね。

なぜレーベルからマネージメントに?

僕、プロモーターをずっとやってまして。テレビ局やラジオ局にプロモーションで大量に皿(CD)を持って行ってたんですけど、言葉を選ばずに言うと、こなしていくだけになってきたんですね、だんだん。

数が多すぎて。

はい。そうしたときに、あ、マネージメントに行けばもっと現場にも近くなるし、密にアーティストとやれるんじゃないかと思って、徐々にプロダクションのほうに移ろうかなと思っていった矢先に、Musicman-NETでオーガスタの求人を見かけたわけです。で、これも何かの縁かなと思って、普通に履歴書を送りました。

山崎に「お疲れ様」って言われて抱き合った瞬間は感動しましたね

最初からマネージャーに?

僕、オーガスタに入ってからずっと山崎の担当なんです。山崎って今年でデビューして23年目になるんですけど、僕の前にマネージャーは3人しかいないんですよ。1人ずつが長くて、僕が4代目なんです。で、基本的にずっとマネージャー1人でまわしてきたので、最初から1人でやってる感じですね。

マネージャーになりたての頃はどんなことを思っていました?

まだプロモーターの意識が強く残っていたので、レコード会社の気持ちがわかるわけですよ。当然多く稼働してほしいんですけど、マネージメントとしてはアーティストを守らないといけない。ずっととにかく量をこなしてきた自分が、ある日突然事務所側の人間になったことで、そこのバランスみたいなものはちょっと迷いましたね。

そこから、自分もマネージャーになってきたなと思えるようになったのは?

山崎にそれを自然と教えられた気がしますね。明確にいついつっていうのはないんですけど、よくあの人も節々で言うんですよ。プロダクションの人間がしっかりしてないとアーティストも育たないし、中途半端でやるなよって。それは誰に対しても。お前がたとえば新人を見つけてやるんだったら、どうにか結果を出すために一生懸命やらなきゃダメだし、中途半端で飼い殺しみたいなことは絶対にするなって。そこらへんは山崎とつきあっていくなかで自然と身についていったような気がしますね。

マネージャーをやってて良かった!という感動エピソードというと?

2015年の“オーガスタキャンプ”は山崎まさよし20周年を記念して赤レンガでやったんですけど、そのときに初めて“オーガスタキャンプ”を僕がまとめることになって。本当に忙しかったんですけどそこを乗り切って、キャンプが終わったあと山崎に「お前大変だったな、お疲れ様」って言われたんですよ。本人もずっと出ずっぱりだったんですけど、終わったあと、お互いにヘロヘロで抱き合って。その瞬間の写真が残ってるんですけど(笑)、それが感動しましたね。

マネージャーもある種キャラ勝負だと思ってるんで

素敵な話です。今思う、マネージャーはこうあるべきだという理想像とは?

一番は信頼されることだと思うんですけど、アーティストに。こいつに言っときゃなんとかなるだろうって。それは不満もそうですし、こうしたいとかこう思ってるっていうのも。それをお互いイーブンに言えなきゃダメだと思うんです。で、あとは僕はもうノリなので(笑)。

はははは!

ある種キャラ勝負だと思ってるんで、マネージャーも。「あ、山崎さんのマネージャーって、あのピアスの人ですよね?」っておぼえられて、もしかしたらそれで仕事が1個増えるかもしれないじゃないですか。

あ、冒頭の話はそういうことですね。

そうなんです。だから、アーティストから信頼され、キャラも立ってという(笑)。

つまり、パブリックイメージの山崎さんのマネージャー像とはだいぶ違うんですけど、逆にそれでいいんですね(笑)。

いいんです! それで仕事をちゃんとしていれば、逆にこんな感じでも信頼できんだってなるじゃないですか。はははは!

そのギャップもまたいいと(笑)。

はい。これで仕事もちゃらんぽらんだったらおかしな話じゃないですか(笑)。

ノリと運さえあればマネージャーはできる(笑)

今後の目標や野望は何でしょう?

僕、実は新人をやったことが今までなかったんですよ。ようやく、自分で会いに行って仮専属までしたHaiRiっていう子を去年からオーガスタとしてやるようになって。だから僕、これから楽しみでしょうがないんですよ。新人をイチから育てていくっていう。せっかく山崎っていう太いパイプがあって、ちょっとやらしい話ですけどそこのパイプを使えるだけ使って、その新人が1個でもステップアップしていけばいいなっていう勉強も今している最中ですね。

第二のマネージャー人生が始まるような感じですね。今までと違って、今度はゼロからイチを作らなきゃいけないわけで。

そうなんです。山崎でイベントに出てくださいって呼ばれるじゃないですか、行くと年下アーティストが多いわけですよ。みんなあいさつに来てくれるじゃないですか。HaiRiでは真逆ですからね。「ちょっとあいさついいですか?」とか。でもそういうのがすごい好きで。なんかプロモーターのときの記憶が蘇るっていうか。

その頃の経験が活きてますね。

活きてると思いますね。つらいときも、あれにくらべたら…と思うし。無駄は1個もないですよ。あと、マネージャーって誰につくかでも変わると思うんです。“私向かないかも”って思った人は、もしかしたらその環境が合わないだけで、別にマネージャーとしての仕事が合ってないわけではないと思うんですよ。そういう巡り合わせもあるだろうし。僕、人より運を持ってると思ってて。転職を考えていたタイミングでオーガスタを見つけて、履歴書を出したら受かっちゃって、いきなり山崎やらせてもらえて。で、今新人の子を見つけて、そのラインが活かせてっていう。すごく運がいいなと思ってます。

マネージャーには運も大事だと。

大事です! 最終的に今日はノリと運って話になっちゃいましたね。あははは!

でも面白い話が聞けました。マネージャーになりたい人は、逆に夢が持てますよ。

ははは! そうですね、ノリと運さえあればマネージャーはできるっていう(笑)。

カバンの中身拝見!

山崎まさよしは指でギターをプレイすることが多いので、スカルプで伸ばした爪を整えるために爪切りを常備。スタッフパスはいくつかのツアーのものを連結し、この会場にいつ来たのか…などを思い出すことも。

カバンの中身拝見!

1. PC(Mac)
2. ツアーのスタッフパス
3. ICレコーダー

4. iPhone
5. ポーチ(コード類)
6. ポーチ(文房具、爪切りなど)

山崎まさよし

山崎まさよし

1995年9月にデビュー。3月にKANとのYAMA-KAN名義でシングル「Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ」をリリース。5月には配信限定で企画アルバム『山崎×映画』をリリースした。

Promotion within 100characters

向井さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

取り上げたら命に関わる一大事だと思えるくらいのギターへの愛、心から楽しんでいるのがうかがえるライブへの愛、先輩・後輩ミュージシャン、誰に対してもフラットな姿勢でいられる根っからの音楽愛を持った人。

最新作はコレ!

配信限定アルバム『山崎×映画』

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発売中