名物プロデューサー列伝

2017.09.15

INTERVIEW

名物プロデューサー列伝

株式会社パーフェクトミュージック代表取締役 成田光春さん

vol.72 株式会社パーフェクトミュージック代表取締役 成田光春さん

オルタナティブなプロダクションとして知られる、パーフェクトミュージックの成田代表取締役を今回はフィーチュア。新宿でスナックを始めたり(系列会社が運営)、7月末には地下アイドル4組のエージェント契約を一挙発表したりと、常にエッジーな話題を提供し続けている若き先鋭だ。

text:吉田幸司 photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

幅広く、楽しいこと、エッジーでみんながビックリ
するようなものを常に提供していきたいですね。

バイトから3年で社長に

もともとはバンドマンなんですよね?

そうです。ライブハウスで働きつつ、dry as dustというギターオルタナティブロックみたいなバンドでベースをやってたんですけど、そのときに同じライブハウスで働いていたのが劔(劔樹人。パーフェクトミュージック所属のベーシストであり、神聖かまってちゃんの元マネージャー)だったんですよ。で、劔が先にパーフェクトミュージックに入って、1年ぐらい経った頃に、現場のスタッフが足りないみたいな話で僕が入るようになって。そこからこの仕事をやり始めたのがきっかけですね。

最初はバンドと掛け持ちで。

そうです。それが5〜6年前ですね。バイトから入って、劔のサポートをしつつ、だんだん現場から本ちゃんマネージャーになっていって。で、かまってちゃんと同時にバンドじゃないもん!も担当することになって。結成直後の初ライブに僕が入っていって、そのまま当時の社長の内大介(現会長)から「じゃあお前マネージャーやってね」みたいな感じで言われて。もう右も左もわからず(笑)。ちょうどアイドルが盛り上がりつつあるところだったので、ももクロだったりとかいろいろなところを参考にしつつ。

社長になったのはいつなんですか?

3年前くらいですかね。

バイトから始めて3年後に社長に!?

そう聞くと夢があるんですけど(笑)、内はグループ全体の代表も兼任していて、会長職というか。そのなかのひとつのパーフェクトミュージックを僕が任された感じですね。

マネージメント/エージェント

7月末には一挙に4アーティスト(ヤなことそっとミュート、おやすみホログラム、MIGMA SHELTER、絵恋ちゃん)とのエージェント契約を発表しましたが。

そこはうちにいろんなキーマンというか、信頼の置ける耳の早いスタッフがいて。もともと新宿ロフトにいた望月(慎之輔)がそこのシーンをよく知っていたので、僕ももちろん音楽的にすごくいいなと思いつつ、じゃあしっかりそこを最大化させるために手伝っていきましょうっていうので話をしていったのが、あの4アーティストですね。

専属ではなくエージェントとして。

そうです。外部とのやりとりだったりとかはうちのノウハウを使って、足りないところを補っていくという。あとは人員的にも助けていく状況があると、アーティストのやりたいことがもっと最大化されるかなって。うちのそのビジネスモデルの原型は、実はぱいぱいでか美ちゃんなんですよ。もともとずっとソロでやっていて、“ぱいぱいでか美”っていうものができあがっている状況があって。それを応援するっていう部分でしっかりフォローアップしていきましょうっていうところから始まったんですけど、そのビジネスモデルがしっかりまわっていったので、これはもう適応できますよねっていうところからのスタートですね。

下地はもうできていたんですね。

うちは音楽制作もできるし、レーベルの業務もできるし、タレント営業もできるし、幅広くいろいろできるっていう自負というか矜持があったうえでのスタートですね。

いろいろなノウハウもあるし、いろいろなトライができると。

そうなんです。ノウハウも蓄積されますし、いろんなアーティストを一気にやることによって、対外的な信頼感だったりも増していくと思っていて、渉外もうまくいくところも強みかなっていうのはありますね。

本筋のマネージメントに関して成田さんが特に心掛けてることというと?

人間的なところでのコミュニケーションですね。アーティストマネージメントって結局は人と人のコミュニケーションなんで。それはエージェントでもそうですけど。契約上のつきあいでも、その人の音楽が大事だからこそ最大化させてあげたいというか。

人と人であるのと同時に、あくまで音楽が大事だという。

根本はやっぱり音楽がエッジーだったり、パーフェクトミュージックの源流の“波を荒立たせる”みたいなところは、みんなどこか持っていると思うんですよね。いろんなバンドさんがいらっしゃるなかで、うちがやってもどうにもならないところってたくさんあると思うんですよ。ただ、うちがやることによってドン!と磨かれていくアーティストはいると思うので、そういう元の素材というか、初期衝動みたいなところを大事にして、それを最大化させていくというのがうちの基本的なスタイルですかね。

株式会社パーフェクトミュージック代表取締役 成田光春さん

常にオルタナティブでいる のももちろんですし、 常に本流を狙っていく っていうのもありますね。

スタッフ育成

スタッフには若い方が多いですよね?

うちはほとんど20代で、20代中盤から30代前半がメインですね。今って本当に何もバイアスがかからないでみんないろんなことが好きなので、スタッフがこういうのをやりたいとかああいうのをやりたいっていう社内ベンチャー的なものはできるだけ実現させていきたくて。たとえば最近こういうことが流行ってるらしいですよって、会社内でもみんなずーっとしゃべっていて。若い同世代だからグルーヴが合って話せるところもあるし、そこに実は何か隠れてたりするっていうのがあると思うんですよね。

雑談が多い会社なんですね(笑)。

めちゃくちゃ多いです(笑)。本当にくだらない話から…まあ、くだらない話ばっかなんですけど(笑)。

あはは。でも雑談からとんでもないアイデアも生まれてくるという。スナックしろくまの話はどこから始まったんですか?

内と僕と、それこそ会議雑談で。きっかけとしては、アーティストがだんだん増えてきたときに、アーティストも働けて、なおかつお客さんも楽しい空間があればいいですよねっていう話から、最近玉袋筋太郎のスナックが流行ってるらしいよみたいな話になって、で、スナックしろくまができてっていうところなんですよね(笑)。

あはは! でもそれに乗らないと思うんですよ、普通の会社は(笑)。

ははは! そうですよね。でもスナックってエッジーだよねって。

たしかに(笑)。

しかも2020年に向けて流行るんじゃねえ?みたいな(笑)。今、しろゴリラっていうお店も下北沢にあって。そこはバンドマンがたとえばシェルターの打ち上げとかで使えるような感じでって。根本には何かしらアーティストのためとかタレントのためとか、そういうところから発展して面白くなっていってるっていうのがありますね。

オルタナティブから本流へ

音楽以外にも、いろんなことをやっていきたいんですね。

そうなんですよ。音楽はもちろん大好きなんですけど、音楽以外のことも大好きなんです(笑)。だからこそ仲間をいっぱい増やしたいなって思いますし。

それこそ落語家もいますよね。

それもうちの社員の、最近落語がすごく面白いんですよみたいな話からスタートして。営業とかもうちのルートからやって、落語家さんいるんですか?っていうところから新しいフィールドの取引先がどんどん増えていくっていう。

うちにはこんなのもいますよ、スナックもあるし打ち上げもできますよって。

CDも作れますよって(笑)。そういう3次元のエンタテインメント性っていうか、もっといろんなことをできればいいなって。

でも怖くないんですか? 知らない世界だと失敗する可能性も高いじゃないですか。

いや、グループ全体のスタンスも一緒なんですけど、ここをベットしようっていったときは、もうバコン!とすごいスピード感で、垂直立ち上げな感じでやっていくっていう。

やるとなったら突き進むのみみたいな。今後ももっといろんなことを?

エンタテインメントっていうと、音楽もそうですし、タレント芸能もそうですし、食べることも飲むこともそうですし、本当に幅広く、楽しいこととか、エッジーでみんながビックリして興奮するようなものを常に提供していきたいなって。形は本当に問わないかもしれないですね。音楽じゃなくてもすべてにおいて面白いと思うことをやれればいいかなっていう。

そのなかで音楽シーンにはどう切り込んでいきたいですか? やっぱりエッジーに?

そうですね。エッジーとかオルタナティブって、本流になる可能性があるので。

エッジーなまま、メインストリームをひっくり返してやるっていう。

そういう気概のあるところが勝ち残っていくと思うので。常にオルタナティブでいるっていうのももちろんですし、常に本流を狙っていくっていうのもありますね。

PROFILE

株式会社パーフェクトミュージック代表取締役 成田光春さん

成田光春

1986年生まれ、北海道出身。国立函館工業高等専門学校卒業。dry as dustでベーシストとして活動中の2011年にアルバイトとしてパーフェクトミュージックに入る。その後、社員となり、神聖かまってちゃん、バンドじゃないもん!のチーフマネージャーを経て、2014年に代表取締役に。現在は、神聖かまってちゃん、バンドじゃないもん!、アカシックのほか、Alloy、タレントのぱいぱいでか美、落語家の立川志ら乃らも所属。また、春ねむり、ヤなことそっとミュート、おやすみホログラム、MIGMA SHELTER、絵恋ちゃんらともエージェント契約。

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