特集記事

2017.03.15

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SHAZAM ピーター・リーさん

“これなんて曲?”がすぐわかる!

SHAZAM ピーター・リーさん
Shazam Entertainment Ltd.

街角や店で流れている音楽を“いいな”と思ったときに、 それが誰のどの曲であるかを教えてくれる魔法のサービスがSHAZAMだ。 そこで検索されたということは、その曲を純粋にいいと思ってもらえたことの証と言える。

text:今津 甲

アメリカでは「Shazam it!」は
検索するという意味の言葉になっているんです。

SiriでもSHAZAMの技術が使われているんです

SHAZAMってアメリカのコミックのタイトルでもありますよね。

あれとは別の意味で魔法使いが使う呪文のことなんです。アブラカダブラのような。

確かに初めて曲名を検索したときは魔法のようだと思いました。なぜこんなことが可能なのか?って。

音のフリケンシー(周波数)と音量の時間的変化で特定の曲の特徴を示したフィンガープリントというデータを作っているんです。

それを流れている曲と照合している?

はい。それが現在3千万曲ぐらいサーバに保存してあるんです。弊社の技術によるデータで音源じゃないから著作権の問題もクリアしています。新曲もどんどん更新されていたり、アーティストを登録することもできます。

しかし、よく考えましたよね。

最初に“こういうのがあったらいいな”と思う人間がいて、それを可能にする技術を見つけ、2002年に会社が設立されました。もっともまだガラケーの時代で、ユーザーは電話番号を入れたのちに音楽にかざして結果はメールで受け取る、という形だったんですけどね(笑)。スマホが出てきてから飛躍した感じです。iPhone 1のCMでも紹介されて、SiriでもSHAZAMの技術が使われているんです。スタッフの半数が技術系の人間なので、これからもより速く正確に検索できるようになっていくと思います。

海外ではかなり広範に活用されているようですが、どんな使用例があったりするのでしょうか?

たとえばヨーロッパツアーをやることになったアーティストが「あなたの街に行くかもしれませんよ」と発表する。それでそのアーティストを検索したら特典映像が観られるようにしたりすると、結果、ファンが多い街がわかり、そこが公演先になったりもするわけです。あと、最近はアーティストアカウントも始まったんですよ。

SHAZAMにアーティスト自身が登録して。

その人が検索したものを一般の人が見ることができるんです。これは現在1,000アーティストぐらいが登録していて、たとえば“コールドプレイのメンバーは今こんな曲をチェックしてるんだ”みたいなことがわかるんです。自分が検索したものを一般の人とシェアすることもできて、ハードウェルとかのEDM系の人たちがうまく使ってます。これは今や音楽にアクセスしやすくなったぶん選択肢が多すぎる我々の手助けにもなりますよね。

なぜ曲名を知りたいのか?やっぱりそれは感動したから

日本ではどんな状況なんでしょう?

一般の方の使い方でいうと洋楽と邦楽で検索する場所が分かれていますね。洋楽はカフェや洋服屋で、邦楽はカーラジオやテレビの前で検索されることが多い。たとえば今はSuchmosの曲がすごく検索されていて、なんでなんだろうと思ったらCMで流れてるからだったり。1分単位で検索状況がわかりますからね。そういうのってレーベルの方からも聞かれたりするんですよ。「この曲がランキングに入ってるのはなぜですか?」って。

ヒット分析もできますね。

少し前はみんながRADWIMPSの曲を検索してたんですけど、それは映画館でだったんですね。エンドロールの部分だけじゃなく、映画の真ん中の感動シーンで流れる曲をみんなその場で検索してたという(笑)。

一般の方の感情がそのまま行動になりチャートに反映する。

なぜ曲名を知りたいのか? やっぱりそれは感動したから、ですからね。しかも感動した場所は分単位でわかる。だからSHAZAMのチャートは信頼できる、って言われるんです。

今後はどんな展開を考えられているんですか?

画像検索も力を入れていきます。あらかじめ画像を登録しておけば、たとえばツアーのポスターにスマホをかざすことでチケットが買えたりもする。海外ではコカ・コーラやマクドナルドの商品と組んだ画像検索プロモーションなんかもあるんですね。ヴィンテージ・トラブルも日本のタワーレコードと組んで画像を使った来日プロモーションをやってました。アメリカでは「Shazam it!」は検索するという意味の言葉になっているんです。そこに音楽だけじゃなく新たに画像も加わった感じですね。

SHAZAM

SHAZAM

2002年にロンドンでスタートし、昨年アプリが10億ダウンロードに到達。スマホを音楽にかざすと、そのアーティスト名と曲名を知らせてくれ、iTunesなどに誘導もしてくれる。

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