現場マネージャー物語

2016.07.12

INTERVIEW

現場マネージャー物語

夜の本気ダンス担当 吉田 純さん

#117 夜の本気ダンス担当 吉田 純さん株式会社ストリートワイズ

音楽業界の裏方の仕事がしたいと思い立ち、様々な業務の経験を経たうえで、現在はレーベルactwiseの代表も務めている吉田さん。今年の3月に夜の本気ダンスはメジャーデビューを果たしたが、これまでと変わらず、バンドの意志を尊重しながら、二人三脚で前進している。

text:阿刀“DA”大志 photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

僕たちは、アーティストが幸せじゃないと仕事がうまくいかないんですよ。

「音楽に集中したいな」と2年前に僕1人で独立しました

吉田さんはいつ頃から音楽の仕事につきたいと思ってたんですか?

高校の頃からバンドをやってたんですけど、デビューすることはあまり現実的ではないと思ってて。それで大学に入って周りが就職活動をし始めた頃に音楽の裏方の仕事がしたいと思うようになったんです。だけど、どうやったらそっちの世界に行けるかまったくわからなかったので、とりあえず地元のCDショップでアルバイトを始めました。

それが音楽業界への第一歩だったと。

それからいろんなお店や会社で働いているうちにメーカーさんの知り合いも増えて、とある会社内でレーベルを立ち上げることになった知人に誘われて、制作をやることになりました。

様々な会社や業務を経て制作に。

物流、営業、販促を学んでから制作に入りました。もとから制作には興味があったんですけど、そこにたどり着くまでにいろいろ勉強するほうがいいなと思って経験させてもらってた感じですね。

計画的だったんですね!

でも、そのうちその会社の経営が立ち行かなくなって、僕と一緒にやってたスタッフと2人で独立したんですけど、音楽事業以外にマーチャンダイジングなんかもやるようになったんです。それで売上が上がっていくにつれて社員数が増えてきて、最終的に10人ぐらいになっちゃったんですよ。それで「もうちょっと音楽に集中したいな」と思って、2年前に僕1人で独立して現在に至るって感じです。

やることがたくさんある。今、身に染みて実感してます

「音楽に集中したい」とは?

僕たちはアーティストに食べさせてもらってるし、アーティストが幸せじゃないと仕事がうまくいかないんですよ。事業としてやってると採算性とかも気にしないといけないけど、僕はバンドのわがままを優先したいと思ったんです。それもあって、すべて自分で責任をもってやりたいと思うようになったんです。

なるほど。

それにレーベル的な動き方だけだとどうしてもバンドをサポートしきれない。フェスが決まったりライブが多くなったりすると、お金の管理の面とかでもバンドの近くにいないといろいろと難しいんですよ。なので、今のレーベルになってから、マネージメント寄りになっていったのかもしれません。

レーベル業務にプラスしてマネージメントもこなすとなると、一気に仕事量が増えませんか?

はい。やることが全然変わってくるというか、マネージャーの仕事ってすごく多いんですよ。ひとつのバンドに対してだけでもやることがたくさんある。そのことは今、身に染みて実感してます。

そんななか、どうやって夜の本気ダンスに出会ったんですか?

僕が以前担当していたバンドのお客さんから彼らのデモCDをもらったり、僕が信頼している大阪のDJイベントの人たちが「夜の本気ダンスは今いいライブをやってる」って言ってるのを聞いて、ライブを観に行ったら本当にカッコ良くて。そこでメンバーに声をかけたのがきっかけですね。

夜ダンは短期間で一気に名前が売れていきましたよね。

最初に出した限定シングルから反応は良かったです。でも、本人たちとしては結成からデビューまで結構時間がかかってることもあって、わりと落ち着いてましたね。

ライブを観てもらうということが一番大きかった

彼らの魅力は?

今みたいにいろんな人が曲を知ってくれるようになる以前から、あまり自分たちのことが知られていないイベントに出て行っても、最終的にお客さんの心をつかめていたんです。そういうところは強いと思いますね。彼らはポストパンクだったり、フランツ(・フェルディナンド)とかアクモン(アークティック・モンキーズ)の流れを押さえつつ、80年代や90年代のバンドのこともよく知ってるので。観ていただいた方には流行りのバンドとは違うところに本質があることをわかっていただけていると思います。

かかわり始めた当初はどういうふうに彼らを見せていきたいと考えてましたか?

ライブを観てもらうということが一番大きかったですね。なので、僕がかかわらせてもらうようになってからはライブの組み方が緻密になったと思います。どんなジャンルにもハマるというのも彼らの強みのひとつだと思うので、インパクトを残せそうなイベントを狙って出て行ったところはあるかもしれません。

今もメンバーは京都在住で、東京にいる吉田さんとしてはやりとりが大変なのでは?

活動の拠点が京都なので、東京でライブがある場合は、僕がまず京都まで車でメンバーを迎えに行って、そこから東京へ移動してライブをやって、終わったらまた車で京都まで送って僕だけ東京に戻るっていうこともあります。費用や時間のことを考えると大変なんですけど、去年1年はそうすることで、人がかかわってるんだから、一生懸命ライブをやるんだっていう意識をつけさせることには成功したと思います。

どういったところに仕事のやりがいを感じてますか?

ありがたいことにフェスに呼ばれれば会場にいっぱい人が来てくれたり、ワンマンをやればわりと大きめな会場でもソールドアウトできるようになってきてるので、僕もメンバーも素直に喜んでます。あとはいろんな方から個別にメッセージをいただいたり、熱い思いを手紙にしていただいたりっていうのは純粋にありがたいですね。

しっかり実力をつけてフェスのメインステージに

吉田さんの今のモチベーションは?

去年、今年といろんなフェスやイベントに呼んでいただいてますけど、こうやってもてはやしてもらえる状況が2年も3年も続くわけではないので、しっかり実力をつけてフェスのメインステージに呼ばれるようになるまでがんばろうっていう話はメンバーとしています。どのバンドさんも同じ気持ちだとは思うんですけど、それが今のモチベーションになってます。

なんだか吉田さんもメンバーの1人みたいですね。

夜の本気ダンスに関してはわりとそう思ってるところはあります。バンドに意志がないということではないんですけど、セットリストを僕に任せてくれたりもするんで、そういった部分では僕も責任をもってやらせてもらってます。

理想のマネージャー像は?

段取りがいいマネージャーさんはすごいと思いますね。たとえばツアーの行程を組むにしても、1人でやってるとどうしても後手後手にまわってしまうことが多いんですよ。そういうときに段取り良くやってる方のことを見習わないといけないなと思ってます。

では、今後の目標は?

今はマネージメントを含めて仕事をするという考え方になってるので、そういった意味では個人的な憧れも含めて、ラフ・トレードやサブ・ポップみたいにインディレーベルなんだけどもっと広い視野を持ってシーンの真ん中に切り込んでいけるようなバンドがいっぱい出てくるとうれしいですね。個性的なバンドを出していきたいのはもちろんですけど、メインストリームで勝負できるようなアーティストを見つけなきゃいけないと思っています。

カバンの中身拝見!

カバンの中身拝見!

両手の空くリュックを愛用。物販用の電卓や配送伝票、ステージ用の黒いガムテープなど、基本的には現場用のアイテムだけを持ち歩いているため、中身はシンプル。スケジュールはPCで管理しているそうだ。

カバンの中身拝見!

1. PC(win)
2. 電卓
3. ばんそうこう
4. 伝票
5. のど飴
6. 名刺入れ

7. iPhone
8. 懐中電灯
9. マーカー
10. ハサミ
11. ガムテープ

夜の本気ダンス

夜の本気ダンス

2008年に京都で結成された4ピースバンド。3月にリリースされたアルバム『DANCEABLE』でメジャーデビュー。7月31日(日)代官山UNITで髭との2マンライブを開催。今夏も各地のフェスに出演が決定している。

Promotion within 100characters

吉田さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

夜の本気ダンスは「すべてのロックミュージックはダンスミュージックである!」というキーワードでシンプルで力強いロックを鳴らしている4人組です。ライブ力は誰にも負けない自信があります!

最新作はコレ!

major debut album『DANCEABLE』

major debut album『DANCEABLE』

Getting Better/VIZL-939(初回限定盤)、VICL-64524(通常盤)