現場マネージャー物語

2016.05.13

INTERVIEW

現場マネージャー物語

水曜日のカンパネラ担当 福永泰朋さん

#116 水曜日のカンパネラ担当 福永泰朋さん株式会社つばさプラス

6月にメジャーデビューする水曜日のカンパネラ。“Dir.F”こと福永さんはそのメンバーであり、マネージャー兼ディレクターでもある。大学生時代は建築の分野で都市開発を目指していたそうだが、今のマネージャーとしての仕事の流儀は、まさにその都市開発の発想からきているようだ。

text:吉田幸司 photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

その人が輝けるようにどうスポットを当てるかを調整するのが、マネージャーなのかなと。

街を活性化するのは人のエネルギーかなと思ったんです

音楽業界に入るきっかけは、イタリアでストリートライブを観たことだったそうですね。

はい。家系が建築関係で、建築家というか、インテリアデザイナーとか都市計画とか街を作って人を喜ばせることをやりたいと思っていたんです。それで京都の工芸繊維大学に入りまして。入って1年目に半分くらいの単位を取って、2年のときにイタリアに2週間ほど行って、そのときベネチアでたまたまストリートライブを観たんです。音楽が街になじんでるというか、そういう文化が面白くて。ストリートライブ、日本にはないんだろうなと思ってたんですけど(笑)。

え? 音楽についてはそれぐらいの知識だったんですね。

 そうなんですよ。なのでストリートライブっていうのをイタリアで初めて知って、京都に帰ってきたときに四条河原町でストリートライブを観て、うわ、同じ光景がある! すごい盛り上がってるし! 街を活性化するっていうのはそういう人たちのエネルギーなのかなと思ったんです。

一緒にやっていこうよって2年契約の契約書を作ったんです

そこから、京都でストリートライブのコンサート制作やフリーペーパーの制作などをしていたそうですね。まだ大学生ながら。

2年からほとんど大学に行ってなかったんで(笑)。で、いろんな形で音楽に触れてるなかで、音楽のプロデュースって何だろうって興味がわいてきて。そういうなかでおもしろいロックバンドを見つけたんです。おかんっていうんですけど、僕とちょうど年齢が一緒だったんですよね。じゃあ、僕はスタッフ側でプロを目指してるから一緒にやっていこうよって、2年契約の契約書を作ったんです。

エージェントっぽいですね。

そうしたほうがいいっていうのを京都の先輩から聞いていたので。じゃあ2年経ったら考えようっていうので始まったんですよね。

そこから今の会社にはどういう経緯で?

そのおかんと2年間CDリリースやツアーなどを試行錯誤してやりながら、自分だけじゃ限界があるかもしれない、東京に行かないと自分は成長しないなと思ったんですよ。それでバンドを連れて上京しようと思ったんです。で、営業して何社か当たったんですけど、話を聞いてくれたのが何ヶ所かあったうちの、バンドも僕もOKみたいなところが今の会社だったんですよ。でもそのときにバンドはもう少し待ってほしいということになり、とりあえず1年後にもう一回会おうよって感じで、僕だけここで働き出したんです。

様子を見がてら先に東京に来たけど、結果、バンド側は大阪でがんばることにした。

はい。彼らは彼らで大阪城ホールを目指したいから大阪でやるって言ってるうちに、人気も広がって。おかんは30才になったタイミングで大阪城ホールも成功させていました。

あいさつがわりに仕事したいと思うタイプなんで(笑)

水曜日のカンパネラはどのように?

しばらく会社にもともと所属していたアーティストの担当やライブの制作案件をいくつかやってたんですけど、自分発信の案件をやらないとなって思って。で、もともとデザインやアートとかが好きなのでアートイベントに結構足を運んでたんですけど、デザインフェスタに行ったときにケンモチさん(水曜日のカンパネラの作編曲担当)が出展してたんです。以前からファンで知っていたので、声をかけて。何か一緒に仕事したいなと思いつつ。僕、あいさつがわりに仕事したいと思うタイプなんで(笑)。友達になるには仕事するしかないなと思って。

親しくなるには、飲みに行くより実際に仕事しちゃったほうが早いという(笑)。

そうなんですよ。で、震災後ぐらいに、ケンモチさんが全然それまで興味のなかったアイドルに興味を持ち始めていて。そこからこれまでになかったグループを作ろうという話になり、僕が女性3人を集め出したんですよ。1人はちょうどその前ぐらいにプロデュースしてみませんかって言われていた子で、もう1人はオーディションで。で、あと1人。知人の映像作家のホームパーティがあったんですけど、そこにコムアイがたまたま来てて。話を聞いてると、地雷撤去の募金活動をしたりデモ行進に参加したりっていうので、社会の歪みに何かメッセージがある子というか。もともと都市計画とか社会に貢献したいっていう自分のマインドもあって、そういう子と仕事したいなっていうところがあるんでしょうね。ただ、その頃のコムアイはやり方が泥臭いというかストレートすぎて、興味ある人にしかそのメッセージが伝わらない感じだったので、アーティストっていう形で表現していくなかでそういうことをしたほうがいいんじゃないの?って話をしたんです。で、まあ、本人的にはたぶん歌を歌うとは思ってなかったんですけど、じゃあなんとなくやりますみたいな感じになって(笑)。

その人の棘をどう磨いていくかっていう仕事だと思ってます

福永さんは、マネージャーというよりプロデューサーというほうが近い気もしますが。そこは自分ではあまり意識していない?

あまり意識してないし、いいなと思ったものを世の中に広めたいっていうただそれだけなんで。

逆に言うと、すべてのことに携わってるわけですよね。そのなかでもマネージャーとして特に気を使ってることは何ですか?

いろいろありますね。何でも知ってないとダメなんですけど、何でも知ってる、何でもできると思ってもダメだと思うんですよ。アーティストのほうが詳しいことも多いし、できることも多い。チーム一丸というか、チームのなかでお互いが補い合えていればいいのかなって。なので、マネージャーの仕事は、アーティストがアーティストでいるためにやる環境作りじゃないですかね。やっぱりスポットライトが当たるわけじゃないですか。ちゃんとその人が輝けるようにどうやってスポットを当てるかっていうのをうまく調整する、一番それができるのが、本人の意見を一番よく知っているマネージャーなのかなと思います。あとは何でしょう、マネージャーとして一番心掛けているのは、本人の意見をどう通すかというか、守っていくかというか。結局僕の場合は、まずその人の才能を信じるところから入ってるんで。その人の才能の種をどう育てていくかっていう仕事だと思ってるんですよね。

その意味では、アーティストを作るというより、その能力を引き出してあげること。

そうです。最初に見つけて、この環境に入ってからその人がどう動くかは、その人次第だと思ってるところがあるんですよ。だから本人は自由に動いて、その結果を良い方向に出せるようにするのが僕の仕事なんです。虎を柵に入れて、それがちっちゃい柵だったら嫌がって逃げていくじゃないですか。虎には虎にしかできない仕事もありますからね。大切なのは、お互いにとってベストな“必要な距離感”でいることだと思うんです。

これからの目標、野望は?

もともと海外でストリートライブを観たっていうのがあったんで、このまま海外にどう受け入れられていくかっていうのにすごい興味があって。そこをちゃんとやるっていうのは目標にしてますね。カンパネラはすごいその素質があると思うんで。

まだまだ天井知らずですよね。

まさに! コムアイのポテンシャルをもっと引き出していくっていうのがあるし、ケンモチさんもまだまだ眠ってるので。水をやって花が咲くまで、まだ時間がかかりそうです。

水をあげ、花を咲かせて、環境を作っていく。発想が都市開発と同じですね。

はい、考え方はあまり変わってないですね。

カバンの中身拝見!

カバンの中身拝見!

カバンは常に2つ使用し、パソコンはデイパックに入れると故障が心配なので移動時にはトートに収納。ライブのステージドリンク用に、ストローの穴を開けたキャップも常備。非常食のシャケと江戸川乱歩の小説は自分用。

カバンの中身拝見!

1. ケーブル類
2. PC(Mac)
3. 自分用非常食
4. 安全ピン
5. ドリンク粉末
6. 香水
7. アロンアルファ
8. 喉薬

9. ペットボトル用蓋とストロー
10. 歯ブラシ
11. 小物入れ、文房具、電池など
12. ノート、本、時計
13. 資料
14. iPhone
15. 音資料
16. グッズ

水曜日のカンパネラ

水曜日のカンパネラ

コムアイをフロントに立て、2012年に活動開始した3人組ヒップホップグループ。6月22日にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビューアルバム『UMA』をリリース。6月25日(土)から“未確認ツアー”もスタート。

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福永さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

次、何が起こるのか!? 水曜日のカンパネラは、子供の好奇心がそのままカタチになったようなアーティストです。コムアイとケンモチヒデフミの今後にご期待ください!

最新作はコレ!

5th album『ジパング』

5th album『ジパング』

つばさレコード/TRNW-0150