現場マネージャー物語

2016.03.09

INTERVIEW

現場マネージャー物語

#115 04 Limited Sazabys担当 佐々木 健さん

#115 04 Limited Sazabys担当 佐々木 健さん日本コロムビア株式会社

新規レーベルに参加し、ディレクターも務める佐々木さん。自身の経験からバンドが活動しやすい環境を第一にと考え、ロックバンドとしては日本コロムビア初の360度ビジネスを展開。メンバーの地元である名古屋の人々、同世代バンドとともに、シーンの活性化を目指している。

text:高橋 葵 photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

マネージメントは彼らの人生を背負っているので、単発で終わらせるわけにはいかない。

当初はスタッフが2人、こんなにワクワクする部署はないなと

佐々木さんには2008年の秋に一度ご登場いただきましたね。

実はそのすぐあとくらいから04 Limited Sazabysをやっていたんですよ。ただ、以前の会社ではA&Rを中心にやっていたので、基本的にはメンバー4人で活動していました。2010年8月に『Marking all!!!』というミニアルバムを出したのですが、それがなかなか売れず、2年以上CDを出せなかったこともありました。僕もほかのバンドで忙しかったのもあり、そこまでしっかりやりきれていなかった。

その後、コロムビアへ移ることになるのでしょうか?

そうですね。当時、配信部門に行ったり、宣伝や営業もやっていたりしたんですが、やっぱりバンドの担当をやりたくて。自分としてももうちょっとやれるんじゃないか?というところもあり、一回大きな組織を見てみたいなという気持ちが大きくなってきていたんです。それで、「新しいところでチャレンジしてみたいと思っています」と伝えてやめまして。ちょうどコロムビアが新規事業部門を立ち上げて、「360度ビジネスを推進していきたい」「マネージメントができて、制作ができる人間がどこかにいないか?」とずっと人を探していたみたいで、お話しさせていただいたんです。事前に聞いてはいたんですが、当初はスタッフが2人だけしかいなかったんですよ(笑)。だけど、その状況がすごくいいなと思って。しがらみも抑圧もなしの環境で、僕がやれることをやればいいだけなので、こんなにワクワクする部署はないなと思って入ることになりました。

バンドが活動しやすい環境じゃないと意味がない

そしてNo Big Deal Recordsの立ち上げに参加しました。

はい、新規事業開発部なんで、何でもやって良かったんですよ。当初はスマホアプリを作っている人とかもいましたし。新しいビジネスにつながるのであれば、何でも良かったんです。そのなかで僕がミッションとして与えられたのが、インディレーベル兼マネージメント組織を作ることだったんです。それで、フォーリミ(04 Limited Sazabys)のボーカルのGENにも話をして。彼らも、いろんなレーベルに相談しに行っていたと思うんですよ。僕自身も早くリリースをして、実績を残したいなという気持ちがあって。フォーリミはライブもいいし、シーンで絶対活躍できるようになると思っていたので、よし、じゃあ一緒にやろう!と、話が決まりました。

コロムビアでメジャーデビューしようと決めたのはどのくらいの時期ですか?

ファーストシングルの「YON」を出したくらいの時期ですね。正直、メンバーも僕も人生の選択だと言えるくらい悩んだんですよ。各社から本当にいろいろなお話をいただきまして。ただ、一番懸念していたのは、バンドが活動しやすい環境じゃないと意味がないなと。リリースに追われすぎる活動は本末転倒だと思うし、それで疲れちゃうバンドも実際いたし。いわゆるリリースコミットメント(リリースの義務)ってあるじゃないですか。このバンドにそれを強制させるのは厳しいと思っていて。もちろんある程度は期限を決めるんですが(笑)。フォーリミもよくライブで、「自分たちの舵を他人に握らせるな。自分の人生、自分で舵を握って進みたい方向に進むんだ」って言っていて。だったら自分たちでやったほうがいいんじゃないか、No Big Deal Recordsという新規事業開発部をメジャーレーベルにすればいいんじゃないか、という話になったんです。そして、我々チームがそのままメジャーの部署にもなり、かかわるスタッフもそれに伴い増員した、という感じです。

目標は、このバンドに関しては地元の名古屋でのフェスだった

そういうことだったんですね。

コロムビアとして360度ビジネスをちゃんと自分たちで推進したいというのもありまして。おそらく初めてだと思います。コロムビア内でロックバンドをメジャーでリリースして、マネージメントも行って、というのは。

今年も快進撃が続いていますが、4月にファーストシングルの名前を冠した主催野外フェス“YON FES”を、愛知県のモリコロパークで行います。

バンドっていろいろな目標を決めると思うんですけど、このバンドに関しては、地元の名古屋でのフェスだったんです。いよいよそれをやれるタイミングが来たんじゃないかなと。04 Limited Sazabys自体が勢いのある状況になったというのもあるんですけど、地元のイベンターだったり、メディアだったり、応援してくれる方がすごく増えたんですね。

バンド自体も、音楽シーンヘの愛や地元愛がすごく強いなと思います。

めちゃくちゃ強いですね。もともと彼らや僕のバックボーンにハイスタがいて。ハイスタが“AIR JAM”を始めたのが27才頃なんですよ。フォーリミも今年27才。キュウソネコカミやKEYTALKも出てくれるんですが、先輩に頼らないで、同世代のバンドで固めたところもあるんです。それもそれで新鮮だと思いますね。本当にリスペクトしあいながら、バチバチしていて、めちゃくちゃ面白いです。マネージャー同士もそうで、がんばろうぜ!みたいな熱い話をしていたんですけど(笑)。それもある意味、ひとつのシーンかなって。次の業界を引っ張っていくじゃないですけど、盛り上げなきゃいけないよねっていう意識がみんなにあるので。

いろんな妄想をして、みんながよりハッピーになれる方向に

佐々木さんが思うマネージメントの醍醐味というのは何でしょうか?

それこそやっぱり、バンドを見つけて、ゼロから徐々に売れていったときの喜びは、何事にも代えがたいと思います。僕もいまだに物販とかに立つんですけど、お客さんの声とか顔を目近に見ると、マネージメントをしてきて良かったなと思います。ライブ中に最前列の子を見るのとかも結構好きで。感極まって泣いていたり、その子のなかで何か変わっていく瞬間があったりするんですよね。そういう場面を目撃すると、夢を与える側の仕事だなと実感するんですよ。アーティストの一番の理解者として、引っ張っていけるというのは喜びですね。初期の頃は面倒を見切れなかった部分もありますし、メンバーに対して本当に申し訳なかった部分もすごくいっぱいありますし。彼らに対しても、ちょっとした恩返しみたいなことができているのかな?と思います。

なるほど。最後に、長い目でフォーリミを見たときの目標を教えてください。

実際、マネージメントは彼らの人生を背負っているので、単発で終わらせるわけにはいかないです。この業界、流行り廃りがすごく多いですし、来年ダメになっている可能性もやっぱりある。それをいかに長く、地道に活動を続けられるように仕向けていくかということも、こちらの仕事だと思っています。リリースもプランニングは結構決まっていますし、ライブハウスも押さえています。来年の“YON FES”も見越して、末永くやっていくべく、スケジュールのお絵描きはしています。お絵描きするのが仕事じゃないですか。そしてそれを実現するべくやっていく。いろんな妄想をして、メンバーとスタッフのみんながよりハッピーになれる方向に進んでいければなと思っています。

カバンの中身拝見!

カバンの中身拝見!

大きめのバッグを愛用。スケジュールはアナログに手帳で管理しているが、文庫本はかさばるため、Kindle版を購入。細々したものはガジェットケースに収納。イヤホンは映像チェックやなくしたときのことも考えて複数所持。

カバンの中身拝見!

1. PC(Mac)
2. 手帳
3. ガジェットケース
4. 資料
5. イヤホン
6. ハンカチ
7. Kindle

8. ハードディスクドライブ
9. 携帯灰皿
10. 名刺入れ
11. iPhone
12. iPhone
13. モバイルWi-Fiルーター

04 Limited Sazabys

04 Limited Sazabys

2008年結成。2015年4月にリリースされたフルアバム『CAVU』でメジャーデビュー。3月23日にファーストライブDVD『MOMENT』をリリース。4月2日(土)3日(日)にモリコロパークで野外フェス“YON FES 2016”を主催。

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メロディックパンクもギターロックもポップもすべて飲み込んだ多彩な音楽性と、一聴してわかるハイトーンボイスは唯一無二。かわいく見られがちなルックスとは裏腹に、精神性は思いっきりパンクなバンドです。

最新作はコレ!

1st DVD『MOMENT』

1st DVD『MOMENT』

日本コロムビア/COBA-6878〜9