現場マネージャー物語

2016.01.09

INTERVIEW

現場マネージャー物語

#114 THE ORAL CIGARETTES、奇妙礼太郎(天才バンド)、ユナイテッドモンモンサン、bonobos担当 柳井 貢さん

#114 THE ORAL CIGARETTES、奇妙礼太郎(天才バンド)、ユナイテッドモンモンサン、bonobos担当 柳井 貢さん株式会社ヒップランドミュージックコーポレーション/株式会社MASH A&R

4社合同のバンドオーディション&育成プロジェクト、MASH A&Rの初代グランプリに選出されたTHE ORAL CIGARETTESを筆頭に、カラーの異なるアーティストを複数担当している柳井さん。選ぶ立場としての責任感を保ちながら、それぞれのバンドに合わせたマネージメントを心掛けている。

text:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

複数ジャンルにかかわることで、自分のマネージメント業務がさらにドライブしていく。

代理人的なところが強いです。ミュージシャンのパートナーですね

今おいくつですか?

34才です。この仕事は11年目ですね。

大阪のライブハウス出身でしたっけ?

そうです。大阪の心斎橋にあるClub STOMPっていう小さなDJ小屋ですね。当時、ヒップランド内のRD RECORDSというレーベルが活発で、EGO-WRAPPIN'、韻シスト、cutman-booche等リリースをしていたのですが、そのなかのcutman-boocheがライブをしていたんです。彼らの前任マネージャーが結婚されるので後任を探していて、バイトとして声をかけていただきました。

もともとヒップランドってどんなイメージでした? BUMP OF CHICKENが盛り上がっている時期ですよね?

当時、大阪ローカルだったこともあってRD RECORDSの印象が強かったんです。オーサカ=モノレールもいたし、そっち方面の担当さんとばかり仲が良かったので、精神性としてはメジャー的なものに対して、あえてライバル視していたところがありました。もちろんリスペクトしながらですけど。

なるほど。天才バンドのサンデーカミデさんといえば大阪で人気イベントを主催されていましたが、昔から近かったんですか?

入社する前からつきあいがあったので、今担当しているのは自然な流れです。奇妙礼太郎さんの人気が出てくるにつれて、どこが手を出すの?という状況になったとき、自分が一緒に仕事したいと強く思いました。

柳井さんにとってマネージャー仕事の醍醐味は何ですか?

言葉としてはちょっと怒られちゃうかもしれないけど、代理人的なところが強いです。ミュージシャンのパートナーですね。それぞれのアーティストと僕の関係は全部違うので。もし彼女がたくさんいたらこんな感じに近いかもですね(笑)。彼女だと成立しないですけど(笑)

ははは。複数アーティストを担当されているのはまた大変ですよね。

そうですね。人によって“マネージャーはバンドの◯人目のメンバーです”というような表現をする方もいると思うんです。cutman-boocheを担当していた頃はそっち側に近かった。でも、cutman-boocheの区切りがついて、いろんなことをやる2年間があって今に至るんですけど、むしろきちんと一歩距離を置いて、本人たちが目指したい方向性を実現するためにはどんなプランや手段が必要なのかということを考えたり、提案するのが役割かなと思っています。

あえてバラバラなアーティストを担当しているかもしれません

ユナイテッドモンモンサンも含めて、音楽的なジャンルがすべて違いますよね?

顕著なのがTHE ORAL CIGARETTESと奇妙礼太郎だと思うんです。あえてバラバラなアーティストを担当しているかもしれません。上司の野村達矢(BUMP OF CHICKEN、サカナクションなどを担当)からMASH A&Rプロジェクトの話をされたとき、妙礼太郎のプロジェクトもすでに走り始めていて。なのでMASH A&Rでは自分のキャラクターにないアーティストをやることで得られる経験値や広がる人脈に期待しました。それこそMASH A&Rのオーディションの1回目(THE ORAL CIGARETTESがグランプリ、フレデリックが特別賞を受賞)が終わったとき、これまで自分がかかわってきたアーティストのイメージもあり、「柳井くんフレデリックでしょ?」みたいにいわれることもありました。ただ、僕はMASH A&Rで担当をするならオーラルのほうが面白いなと思っていたし、実際にかかわる上層部もそう考えていたようです。「A-SketchさんっぽいものをうちがやったほうがMASH A&Rをやっている意味があるじゃん」みたいな発想ですね。自分たちの得意なものをやるより、お互いがやり合うほうがそれぞれのノウハウを交換しやすく、このプロジェクトの意義になると思ったんです。

本気で音楽とお客さんに向き合っていけるアーティストを

MASH A&Rプロジェクトは、A-Sketch、ヒップランドミュージック、『MUSICA』、スペースシャワーTVによる4社共同のオーディション&育成プロジェクトですもんね。これまでにないフォーマットだと思います。

そもそも野村と、相馬さんと青木さん(ともにA-Sketch)、『MUSICA』の鹿野さんとスペシャの石田さんという、普通にアポを取ろうと思ってもなかなか取れない方々に日常的に会えるってだけですごいことだなと。勉強させていただいてますね。プレッシャーはむっちゃありましたが(苦笑)。初代グランプリアーティストが結果を出せるかって大事じゃないですか? 責任問題ですし。1年、2年目は本当に必死でした。

オーラルもフレデリックも、今やしっかりポジションを築いた感じがありますよね。

アーティストの努力、作品ときちんと向き合っていることが一番の理由ですね。プロダクション主体でオーディションをやることの覚悟が結果に結びつくんだなと思っています。受賞後も担当が替わらずに継続的にパートナーシップが組めるっていうのはアーティストからしても安心感があるんじゃないでしょうか。このプロジェクトでは、最終審査の前にアンケートを取るんです。あなたはスタッフに何を求めていますか? 目標は何ですか?とか。本気でしっかり音楽とお客さんに向き合っていけるアーティストを選ばなきゃいけないという考えがあるんですね。

アーティストは覚悟が大事。開き直りともいえるかもしれません(笑)

柳井さんがバンドと仕事を始めるにあたって大事にしているポイントは?

初めてライブを観てから3回目くらいの間に鳥肌が立つみたいな、この人にしか出せないなという魅力に出会えたときに一緒に仕事をしたくなります。あと、アーティスト的には幅広くやっていたいなと思いますね。結果的に複数ジャンルにかかわることで、自分のマネージメントやプロデュース業務がさらにドライブしていくなと実感しています。あと、アーティストは覚悟が大事ですよね。開き直りともいえるかもしれません(笑)。舞台の上でパフォーマンスをして、人を感動させる役割を持ってステージに上がっているんだ、という意識。そこに人は感動させられるんですよね。

インターネットの普及でマネージャーの仕事の仕方が変わってきたんじゃないかと思うのですが、気をつけられていること、活用していることはありますか?

「ネットユーザーの間でこれだけ盛り上がったよ!」という反響がプロモーションのネタになるんですね。それを雪だるま方式にどれだけSNSでバズれるかが大事だと思います。拡散力があるのはTwitter、コアファンに対して情報を届ける接点の確実さでいうとLINEやFacebook。情報の内容とキャンペーンの施策のタイミングに合わせて、どのSNSメディアをどの順番で使うのかということを特にオーラルでは慎重にやっていますね。

来年はどんな年にしていきたいですか?

開発、育成の次の期間があるとしたら、そこに突入する1年な気がします。未知の領域にチャレンジする1年にしたいですね。手に届く範囲内でちょっとずつやっていこうという時期は終わったかなと。なので、時間の問題はありつつ、いろんな人と手を組んで化学反応をどれだけ起こせるか、自分たちにない経験値を引っ張ってくることが自分の仕事かなと思っています。

カバンの中身拝見!

カバンの中身拝見!

使いやすいトートバッグを愛用。緑色の丸いシールは紛失防止の目印だそうだ。2015年の夏頃まで手帳も所持していたが、その後PC管理に移行。デザイン関係の作業も行っているため、マウスも携帯している。

カバンの中身拝見!

1. PC(Mac)
2. クリップ&付箋
3. ペンケース
4. ハードディスク
5. マウス
6. ACアダプター
7. 名刺入れ

8. イヤホン
9. 携帯灰皿
10. 整髪料
11. 風邪薬
12. 財布
13. 鍵

THE ORAL CIGARETTES

THE ORAL CIGARETTES

2010年結成。2012年に行われたMASH A&R オーディションにて初代グランプリを獲得。2月8日(月)KYOTO MUSEを皮切りに“THE ORAL CIGARETTES 唇ツーマン TOUR 2016 〜復活・激突・BKW!!の巻〜”がスタート。

Promotion within 100characters

柳井さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

3年前にオーディションで出会ってからハプニングも含めまっすぐ向き合っていろんなことを進めてきました。まだまだ過程の段階ですが初見の入りやすさも、掘り下げるほどに発見できる旨味も持ち合わせた、稀なバンドです。

最新作はコレ!

FIXION

2nd album『FIXION』

A-Sketch/AZCS-1054